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アンテポスト、オンラインクレーンゲーム基盤の冗長化とセキュリティ強化にAWS WAF・WafCharmを採用。専任エンジニアなしで24時間稼働を支える運用体制を実現

アンテポスト、オンラインクレーンゲーム基盤の冗長化とセキュリティ強化にAWS WAF・WafCharmを採用。専任エンジニアなしで24時間稼働を支える運用体制を実現

アンテポスト株式会社は、スマートフォンやPCから実機のクレーンゲームを遠隔操作して楽しめるオンラインクレーンゲーム「クラウドキャッチャー」を運営しています。低遅延の映像配信技術を強みに、自社サービスの提供だけでなく、大手アミューズメント企業へシステムを供給するOEM事業(CPSHUB)も展開しています。

クレーンゲームの遠隔操作だけでなく、決済や個人情報を扱い、24時間休みなく稼働するサービス。OEMで大手企業との取引が広がるにつれ、可用性とセキュリティに求められる水準は年々高まっていきました。

そこで同社は、AWSの構築・運用支援を手がけるフォージビジョンとともに、アプリケーションロードバランサー(ALB)による冗長化と、AWS WAF(Webアプリケーションファイアウォール)、その運用を自動化する「WafCharm」の導入を進めました。約1年半をかけた取り組みによって、たびたび発生していたサーバーの高負荷が解消し、専任のエンジニアを置かずにセキュリティ運用を回せる体制が整っています。

プロジェクト名・製品名
AWS WAF / WafCharm
商品公式サイトURL
https://cloud-catcher.jp
クライアント
アンテポスト株式会社
技術
セキュリティ、WAF、ロードバランサー(ALB)
担当範囲
構成見直し、導入、運用支援
メンバー
藤原、尾谷

story

課題・お客様からの要望

24時間稼働するオンラインクレーンゲームの裏側で抱えていた、インフラとセキュリティの不安

アンテポスト株式会社が2015年から運営する「クラウドキャッチャー」は、巨大な物流倉庫に並んだ実機のクレーンゲームを、利用者がスマートフォンやPCから遠隔で操作して景品を狙うオンラインサービスです。同社はこの分野の草分けとして歩んできました。

このサービスを支えているのが、低遅延の映像配信技術です。利用者は手元の画面を見ながらクレーンを操作するため、映像が遅れると止めたい位置でアームを止められません。アンテポストは毎秒24フレーム以上を当面の目標に据えて配信品質を磨いてきました。

「我々が今も強みに感じているのは、自分たちで作った技術があるからです。OEM提供している大企業も開発は可能かと思いますが、すでに稼働している仕組みを使った方が良いという判断で、お使いいただいています」と語るのは、開発本部 取締役本部長の薛 龍樹 氏です。

実際、リアルタイムな映像配信の技術力が評価され、大手アミューズメント企業へシステムを提供するOEM事業の柱にもなっていきました。2023年には自社拠点を千葉県流山市の大規模な物流センターに移し、現在も稼働しています。OEM先を含めると、同様の設備は全国に数箇所あるといいます。

一方で、サービスを支えるインフラには課題が残っていました。同社は、当初利用していた環境から、システムをAWSへ移設して運用していました。事業拡大に伴い、サービスを支えるインフラのさらなる強化が急務となっていました。決済・個人情報を扱い、24時間止められないサービスである以上、冗長化や可用性の確保は避けて通れないテーマでした。

事業環境の変化も、こうした懸念を後押しします。OEM先が一気に増えた時期と、新拠点への移転が重なりました。薛氏は「OEM各社は大企業ですので、要求されるレベルも高い」と振り返ります。取引先である大手企業からは、社内のセキュリティポリシーに沿った厳しい要件が次々と提示されたのです。シンプルで安価なインフラ構成を志向してきた同社にとって、こうした要求に社内だけで応えるには限界がありました。加えて、開発を担うエンジニアの人手も不足していました。

ポイント

エンジニア同士で直接対話でき、内製化を尊重して伴走してくれる相手だった

相談先として同社が選んだのが、フォージビジョンでした。きっかけは、薛氏とフォージビジョン代表の喜多が大学時代の友人だったという縁です。社会人になってからも折に触れて言葉を交わす間柄で、インフラとセキュリティの相談を重ねるうちに、「一緒にできることをやってみよう」という話に発展していきました。

取り組みは、現状のシステム構成を丁寧に把握するところから始まりました。フォージビジョンの担当者は、以前の環境からそのままAWSへ持ち込んで運用している状況を確認しました。そして、冗長化やバックアップ、セキュリティ設定などAWSのベストプラクティスを一つひとつ提案していきました。

実装には、アンテポスト側のエンジニアも積極的に関与しました。すべてを任せきりにするのではなく、自分たちで手を動かして理解したいという姿勢です。フォージビジョンはこの内製志向を尊重し、答えを押しつけるのではなく、選択肢を整理して手渡す立場に徹しました。専門知識が要る領域だけを引き受け、同社のエンジニアが判断できる材料をそろえていきました。

解決方法

ALBによる冗長化とWAF・WafCharmの導入で、高負荷と深夜のアラート対応からの解放。専任者なしでの運用を実現

フォージビジョンによる支援は、2024年1月から2025年6月までの約1年半にわたって行われました。その内容は、大きく三つの要素から成り立っています。一つ目が、アプリケーションロードバランサー(ALB)の導入です。サーバーが直接インターネットと通信していた構成の間にALBを挟むことで、通信の状況を把握しやすくなり、処理を行うサーバーとの間に一段の緩衝を設けられます。これは、セキュリティ対策としても有効に働きます。

二つ目が、AWS WAFの導入でした。ロードバランサーだけでなく、HTTPの通信そのものを適切に監視する仕組みとしてWebアプリケーションファイアウォールを組み込みます。ただし、AWS WAFは設定が非常に緻密なので、専門的な知識が必要です。これをアンテポスト社内で内製していくのは困難が予想されました。

そこで三つ目として、AWS WAFの自動運用ソリューション「WafCharm」を導入。フォージビジョンが再販するこのサービスを使うことで、緻密な設定や継続的なチューニングを自動化し、専任のエンジニアを張りつけずにWAFを運用できるようになります。薛氏は、WafCharmを入れてからは「ほぼ手をかけずに、自動で対応してくれます」と話し、専門知識が要る運用を安心して任せられる有用性を実感したと振り返ります。

導入の過程では、思いがけない事実も明らかになりました。WAFを通じて通信を分析したところ、サービスとは無関係なトラフィックがあることがわかりました。システムが不安定になってしまうと、クラウドキャッチャーを楽しむユーザーに悪影響が出てしまいます。WAFの導入によって、無関係な通信を前段で遮断できたことにより、システム全体の負荷は大きく軽くなっています。

効果は、運用の現場にはっきりと表れました。以前は、日付が変わって新しい景品が解禁される深夜0時はアクセスが集中し、担当者はそのたびに対応に追われていました。WAFの導入後はこうした高負荷が大きく減り、薛氏は「夜中にアラートで呼び出されることは、もうほぼ皆無になりました」と語ります。

今後の展望

新たな楽しみ方の開発に向け、不足する技術を補い合うパートナーとして

WAFの導入によるシステムの堅牢化は、ビジネス面にも波及しています。たとえばIPホルダー(版元)から国内限定でライセンスを受けているものが少なくありません。従来はアプリケーション側で対象国を一つずつ指定して制御していましたが、WAFを使えば国単位でのアクセス制御を柔軟にかけられます。

安定稼働は、版元との関係にも良い影響を与えています。かつて障害が多かったころは、利用者のクレームが版元に向かうこともありましたが、そうした懸念は和らぎつつあります。

フォージビジョンの伴走について、薛氏は「自分たちに経験のない、すごく高度なエンタープライズのお客様の要件なども、新たに調べて、それに応じた対応をしてもらえるのは頼もしいです」と評価しました。

今後について、薛氏はオンラインクレーンゲームの可能性そのものに目を向けています。リアルなゲームセンターにはない、オンラインならではの機能はまだ十分に提供できていないという問題意識があるからです。

「取得した景品を誰かと交換したり、別の誰かが獲得を手伝ったりといった付加価値は、本来いくらでも広げられるはずです」と薛氏は語ります。見据えるのは、新たな楽しみ方の開発と、オンラインクレーンゲーム市場の拡大です。「クラウドキャッチャー」の挑戦は、これからも続きます。

フォージビジョンは今後も、その歩みを支援してまいります。

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